【確定申告書の作成】非居住者が納税管理人を定めた場合

\Xin chào các bạn!/
こんにちは、marucoです。

maruco

確定申告シリーズが続いていますが、今回がラストです!

これまでの記事では【海外転出前にチェックしてほしいポイント】を中心にお伝えしてきましたが、今回は【実際に確定申告書を作るときのポイント】です。

非居住者が納税管理人を定めた場合の確定申告書の書き方について、実際に作成してみて「ここは押さえておいた方が良さそう!」と思ったポイントを共有したいと思います。

税の専門家ではありませんが、できるだけ参照元を記しながら書きたいと思います。海外から初めて確定申告する方は、参考にしてみてください。

これまでのおさらい

非居住者が海外から確定申告する方法の一つが、納税管理人の選任。渡航前に届出を提出し、申告書は納税管理人を通じて提出します。申告書はオンラインで作成できるので、渡航後でOKです!

◆海外転出する人が確定申告する3つの方法
①渡航前に準確定申告をする
②納税管理人を選任する ☜ 今回これを解説
③5年以内に還付申告する

【確定申告】会社を辞めて、海外転出する場合はどうする?

◆納税管理人を選任する場合の確定申告の流れ
①出国までに「納税管理人の届出書」を提出
②納税管理人に控除証明書を預ける
③確定申告書を作成し、納税管理人経由で提出 ☜ 今回これを解説
④帰国したら「解任届出書」を提出

【確定申告】海外転出前に納税管理人を選任しておこう

申告書フォーマット

まず、納税管理人を選任した場合でも、確定申告書のフォーマットは同じです。基本的な作成方法も同じです。国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーにアクセスして、利用ガイドを見ながら入力していきましょう。指示の通りに入力していけば、自動で納税額・還付額を計算してくれます。

所得控除の対象

医療費が高額になった場合や、生命保険・iDeCoなどに加入している場合は、一定額を所得から控除することができ、節税につながります。ただし、控除対象となるのは、居住者期間(日本に住んでいる間)に支払った分のみ。非居住者期間(海外転出後)に支払った分は対象外です。

たとえば、生命保険料が1万円/月で、12月に渡航した場合、11月までに支払った11万円が控除対象となります。控除証明書に記載された金額とは異なるので、自分で計算して申告しましょう。なお、年払いの場合、支払い時点で居住者であれば全額が控除対象となるそうです。

所得控除
医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除又は地震保険料控除の額は、居住者期間内に支払った金額を基に計算します。

国税庁ホームページ「年の中途で海外勤務となった年分の申告について」

還付金の振込口座

所得や控除額を入力し終えると、還付金がある場合は還付金額が表示されます。生命保険やiDeCoなどの控除がある場合、たいてい還付金があると思います。

そして、還付金の振込口座を入力します。通常は申告者本人の口座を入力しますが、納税管理人を指定している場合は「納税管理人名義の口座」になります。ご注意ください!

還付金の振込みに指定できる預貯金口座は、申告者ご本人の口座に限られます。(中略)なお、納税管理人の指定をしている場合は、その納税管理人の名義の預貯金口座となります。

国税庁ホームページ「税金の還付」

個人情報の入力方法

次に、個人情報(住所・氏名等)を入力します。

注意したいポイントは、納税管理人を通じて確定申告書を提出する場合は、納税管理人の氏名・住所もあわせて記載し、納税管理人が押印する必要があること(参考:e-Govポータル国税通則法 第124条」

maruco

ただ、具体的な記入方法は、国税庁ホームぺージを見ても、確定申告書作成マニュアルを見ても、分かりませんでした…。ここでは私が実際に記入した方法をご紹介しますが、不安な方は税務署へお問い合わせください。

納税地情報

  • 納税地の住所
    渡航直前に住民票を置いていた住所を書きます。
  • 1月1日時点の住所
    12月末までに海外転出した場合は、渡航後の海外住所を書きます。住民税は1月1日時点の住所地で課税されるので、この場合はその年の住民税は発生しません。なお、全角入力のみ&字数制限があるため、入力できない場合は、納税管理人にお願いして、印刷後に手書きで追記してもらいましょう。

氏名等

  • 氏名・世帯主・続柄
    納税者本人の情報を入力します。ただ、世帯主は基本的に住民票に基づいていると思うので、誰を書くべきか迷いました。海外転出時に、住民票を除票しているからです。渡航直前は一人世帯=私が世帯主だったので、自分でいいのかな?それとも夫の扶養に入ってるから夫かな?と悩みつつも、自分にしました。世帯主は納税・還付には関係なさそうなので、どっちでもいいんじゃないかな~(私見です)
  • 電話番号
    納税者本人の電話番号を書きま。海外SIMの場合は、国番号も忘れずに。入力フォームでは国番号がうまく入力できなかったので、ここも納税管理人にお願いして、手書きで追記してもらいました。
  • 屋号・雅号
    ここには納税管理人の氏名を記載。氏名の前に「納税管理人」と書いておくと良いと思います。

マイナンバー

  • マイナンバー
    非居住者はマイナンバーを保有していない(海外転出時に返納している)ため、未入力でOKだと思います。未入力のまま進もうとすると警告が表示されますが、「いいえ」を選択すれば次の画面に進めます。

印刷して追記&押印

入力が完了したら、帳票の印刷画面が表示されます。「帳票表示・印刷」のボタンを押すと、入力した内容をもとに作成された申告書がPDF形式で出力されます。このPDFファイルを納税管理人にデータ送付しましょう。

そして、納税管理人の手元で印刷してもらい、赤字箇所(インターネット上のフォームでは入力できなかった箇所)を手書きで追記&押印してもらいます。これで申告書は完成です!

\赤字箇所の記入・押印をお願いしよう!/

  1. 納税管理人住所を、納税地住所の下に併記します
  2. 12月31日までに海外転出した場合は、海外の居住地を書きます
  3. 海外の電話番号を国番号から書きます
  4. 納税管理人の印鑑を押印します
  5. 最後に欄外左上に提出日を記入します

提出時の添付書類

【2021/3/10 追記】
最後に、提出時に必要となる添付書類を確認します。

控除証明書

生命保険やiDeCoなどの所得控除を受ける場合は、控除証明書の添付が必要です。

前回の記事で「渡航前に納税管理人に預けておいてね!渡航までに揃わない場合は、納税管理人に届くように手配しておいてね!」とお伝えしました。帳票の最後に「提出書類等のご案内」というページがあるので、これと照らし合わせて、納税管理人の手元にすべて揃っているかを確認しましょう。

本人確認書類

さらに申告書を提出する際には、マイナンバーを確認するための「本人確認書類」の写しを添付する必要があります。申告書をダウンロードすると、ご丁寧に貼り付ける台紙まで出力されます。

しかし、繰り返しになりますが、マイナンバーは海外転出時に返納していますよね。
(形式的に返納処理しただけで、物理的には手元にありますが…)

調べてみたところ「マイナンバーを記載した書類を税務署に提出する際は本人確認しなければならない」と番号法で定められているそうです。そういう理由であれば、「マイナンバーを申告書に記載しなかった私は不要かな?」と考え、本人確認書類は添付しませんでした。

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これが正解かは分かりませんでしたが、結果として、きちんと還付金も振り込まれたので、提出不要だったと判断しました。不安な方は、渡航前に使用していたマイナンバーカードの写しを添付しても良いかもしれません。

まとめ

あとは納税地の税務署に提出してもらうだけ。還付金の振込は1~2カ月後とのことです。

【2021/3/10 追記】
還付金が振り込まれました! 2月16日に納税管理人が郵送で提出し、3月5日に税務署から納税管理人宛てに「国税還付金振込通知書」と書かれたハガキが届きました。さらに数日後、還付金が入金されました。初めての確定申告だったので、不備がないか不安でしたが、無事に還付されてよかったです♪

maruco

取り掛かってしまえば案外すぐに終わります。まだ手を付けられてない皆さん、頑張ってくださーい!

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