駐妻だって働きたい!海外赴任に帯同して、働き続ける方法を検討してみた【ベトナムの場合】

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こんにちは、marucoです。

私は現在、ベトナムのホーチミンで暮らしています。いわゆる駐在妻です。もとは夫の単身赴任でしたが、任期が長引いたため、仕事を辞めて帯同することを決めました。

仕事を辞めて、駐妻になることを決意。

今や共働きが当たり前の時代で、結婚や出産を機に退職する人はかなり減っていると思います。それでも、配偶者の転勤となると大きく悩むのではないでしょうか。

駐在妻になってみた感じたのは、「働きたいけど働けない」というジレンマを抱えている人は決して少なくないということ。私自身もいろいろと思うところがあり、海外赴任に帯同してきた駐在妻(駐在夫)が働き続ける方法はないのか?なにが障害になっているのか?など、いろいろと調べてみました。今回はその内容を共有したいと思います。

「駐妻だって働きたい」

「海外駐在って、たくさん手当もらえるんでしょ?わざわざ働かなくてよくない?」とか「駐妻っていいな~!昼間は習い事したり、お友達とランチやアフタヌーンティーするんでしょ?」と思う方もいるかもしれません。

でも、そう思ったとしても、駐妻さん本人には言わないであげてください。なぜなら、みんなが同じわけではないし、駐妻だって色んな悩みを抱えて頑張っているのだから。華やかでキラキラしているようにみえる人だって、それはほんの一面にすぎなくて、実際は色んな葛藤があったりするものです。結局は「隣の芝生は青く見える」だけだよな~と、最近よく感じます。

では、なぜ働きたいのか。自分なりに考えてみました。

お金を稼ぎたい

まずは、単純にお金を稼ぎたいからです。

共働きって、最強なんですよ。世帯収入が全然違うんです。一人で年収1000万円を稼ぐには、それなりに時間も努力も必要です。だれでも稼げるようになるとは限りません。でも、夫婦それぞれが年収500万円を稼ぐのであれば、どうでしょう? 300万円と700万円でもいいんです。その300万円があれば、10年間で3000万円の差ができます。

私は仕事を辞めてベトナムに来たので、世帯収入は半分ほど減りました。働き続けていたら、倍の収入があったということです。将来のことを考えると、お金は少しでもあった方が良いですよね。我が家はまだ子どもはいませんが、今後出産・育児も経験する可能性を考えると、働けるときに働いて資産形成しておきたいと思うわけです。

もちろんベトナムの生活費は日本より安く、夫の会社から配偶者手当もいただいているので、夫の給料だけでも十分に生活できます。でも、今までは自分で稼いできたので、誰かの許可を得るわけでもなく、好きなものを好きなときに買うことができました。たまに贅沢しておいしいものを食べたり、海外旅行に行くこともできました。経済的に自立していることに、ちょっとした自負もあったんです。だから、これまでそうしてきたように「せめて自分で遊ぶお金くらい自分で稼ぎたい」という想いもあります。

将来のための資金形成の意味でも、今を自由に楽しむためにも、お金を稼ぎたいのです。

やりがい・存在意義を見つけたい

お金以上に大切なのが「やりがい」だと思っています。

仕事は、社会との接点です。専業主婦(主夫)になると、社会との繋がりが1つなくなります。特に子どもがいない家庭は、家事もさほど手間がかからず、いわゆる“ママ友”などの繋がりもないので、日中は暇を持て余してしまいます。旦那さんが忙しい場合はなおさら。平日は残業や仕事付き合いの飲み会、休日は接待ゴルフという駐在員も珍しくありません。その結果、家で孤立してしまい、「私の存在意義って何だろう…」というモヤモヤを抱えることになります。

私はベトナムに来るまで、会社勤めをしていました。仕事人間ではありませんでしたが、仕事が生活の大部分を占めていました。そして、トラブルを乗り越えたり、お客様に感謝されたり、上司や先輩から評価されたりすれば、それなりに達成感を得ることができました。仕事を辞めてストレスが減った部分もありますが、生活に張りがなくなったように感じます。

自尊心を保ち、充実した日々を送るためには「誰かに必要とされること」がすごく大切だと思うんです。仕事を通じて、誰かに感謝されるということ、社会にすこしでも貢献するということは、自らの存在意義を見出すことに繋がるのです。

キャリアブランクへの不安

冒頭でお伝えした通り、夫の海外転勤が決まったとき、私は日本で仕事を続けることを選びました。一度キャリアを中断したら、帰国後のキャリア形成が難しくなるのではという不安があったからです。

駐在員であれば、いつかは帰任します。私は帰国する頃には30代半ば~後半でしょうか。労働市場において、決して若いとは言えない年齢です。特に日本は「新卒一括採用」「年功序列」「終身雇用」という慣習が長く続いてきた背景があります。最近は世の中の風潮も変わりつつあるようですが、30代半ばのブランク空けの女性を採用してくれる会社はあるのだろうかという不安は拭えません。再就職先が見つかっても、きっと給与水準は下がるでしょう。

さらに、自分自身の気持ちの面でも、社会復帰にはかなりのエネルギーが必要だと思っています。キャリアブランクが長くなればなるほど、不安は大きくなっていくことでしょう。帯同期間中も仕事に就くことができれば、そうした不安もかなり取り除くことができるのではないでしょうか。本帰国したときに前向きな気持ちでキャリアアップを目指すために、ブランク期間を少しでも減らすことは有効だと思います。

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これが、私が考える働きたい理由です。

働くためにクリアすべき壁

しかし、実際にはさまざまな障壁があり、帯同家族が働くことは容易ではありません。法令のことなど、私自身も十分に理解できていない部分がありますが、「具体的にはどのような壁があるのか」について私なりに調べてみました。ここでは4つの点を挙げたいと思います。

就労ビザとワークパーミットの取得

ベトナムで働くすべての外国人は、ワークパーミット(労働許可書)の取得が義務付けられています。取得するには一定の条件(大卒資格、3年以上の職務経験など)を満たさなければなりません。今年2021年に労働法の改正があり、今まで以上に申請条件が厳しくなったとの情報も。労働許可書を取得せずに働くと、不法就労者とみなされ、15営業日以内に国外追放という処罰が課せられます。

ただし、「免除対象者」といって労働許可書を取得しなくても働くことができるケースもあります。べトナム人配偶者を持つ人や、ベトナムで就学中の学生、ボランティアなどです。いずれにせよ「免除承認」が必要なので勝手に働いて良いわけではありませんが、ハードルは下がります。

さらに、帯同ビザを就労ビザに切り替えるという手続きも発生します。ややこしいのですが、前述の「ワークパーミット」はベトナムで働くための許可、「就労ビザ」は就労する人が入国・滞在するための許可です。これらを取得して初めて、ベトナムで合法に働くことができます。

◆参考サイト:JETRO「ベトナムにおける労働許可書/ビザ(査証)の取得手続き

配偶者の会社が認めない

やっかいなのが、配偶者の会社が帯同家族の就労を認めないケース。会社によって異なりますが、社内規程で決められている場合や、暗黙のルールとなっている場合もあるようです。

では、なぜ認めないのか。「帯同手当を出しているから」や「家族の安全を確保するため」といった理由を聞いたことがありますが、説得力に欠けます。本当のところは分かりませんが、個人的な見解としては「税金やビザなどの法令手続きがややこしいから」だと思っています。つまり「方法としては可能だけど、前例もないし、面倒くさいからやりたくない」のかな、と。

そのため法的な拘束力はなく、交渉次第でなんとでもなると思っています。交渉しなければならないという点を考えると、条件さえクリアすれば良いワークパーミット以上にハードルが高いとも言えるかもしれません。配偶者さんが「わざわざ会社と揉めるようなことをしたくない」と言って、そもそも交渉すらしてこなかったケースが多いのではないでしょうか。

会社と交渉する場合、注意したい点が1つあります。それは、帯同家族が就労した場合、受けられる福利厚生が変わる可能性が高いということ。たとえば、配偶者手当がなくなったり、帯同家族分の一時帰国費用を負担してもらえなくなったりすることが考えられます。これらの変化点を確認した上で、メリットとデメリットを照らし合わせて検討する必要があります。

納税義務を負う

さらに、ベトナム居住者が所得を得た場合、ベトナムで所得税を納税する義務があります。対象は1年間の半数以上をベトナムに滞在する人。半年未満で家族が帯同するケースは少ないと思うので、帯同して働こうと考える方は、たいてい納税義務者となるのではないでしょうか。

注意したいのは、居住者は所得の支払地にかかわらず、ベトナムで納税しなければならないということです。ただし、日本とベトナムは「二国間租税条約」を締結しているため、基本的に両国で二重に課税されることはないようです。うーむ、ややこしい。

なお、日本の税制と同じように「所得控除」はあります。基礎控除額である月1100万ドン(約5万円)を超えない範囲の所得であれば、納税額はゼロになるのではないかと思います。
(税金の専門家ではないため、間違っていたらすみません…)

◆参考サイト:JETRO「税制|ベトナム

扶養から外れる可能性

最後は、扶養の問題です。

帯同を機に仕事を辞めたのであれば、そのタイミングで扶養に入るパターンが多いと思います。しかし、被扶養者になるには所得制限があります。扶養から外れない範囲で働くのであれば問題ありませんが、収入が130万円を超える場合は、扶養から外れて自分自身(もしくはベトナムでの勤務先)で社会保険に加入する必要があります。

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これらが私が考える「帯同家族が働くためにクリアすべき壁」です。

帯同家族が赴任先で働く方法

配偶者の会社の了承を得て、各種手続きをきちんと踏めば、働けないということはなさそうですね。では、働くにはどんな方法があるのか? 思いついた方法を挙げてみました。

あくまで私のアイデアベースなので、実際に働く際には各種法令等をご自身でご確認ください。

現地採用として雇ってもらう

これが一番現実的なのではないかな、と思います。実際に私の友達も「旦那さんの赴任に帯同してきたものの、毎日の生活に嫌気がさした」とのことで、現地採用で働き始めました。

今はコロナ影響で国境を越えた移動が難しくなっているので、すでにベトナムに住んでいる「働きたい!」という人がいれば、渡航費・隔離費などのコストがかからない分、企業側としては採用しやすいんじゃないかな~と思います。(私の予想です)

採用時に就労ビザ・ワークパーミットの発行をしてくれるかどうかを確認しておきましょう。

学生としてアルバイトする

ワークパーミットの取得免除対象のリストに「ベトナムで就学中の生徒・学生がベトナムで就労する場合」というものを見つけたんです。学生さんが、アルバイトやインターンとして働くのであれば、ワークパーミットは要らないよ~ということだと思います。

帯同期間は、働いていた時と比べると自分の時間を確保できるので、自己研鑽・スキルアップのために新たな勉強を始める方もいると思います。そうであれば、いっそのこと学生になっちゃえばいいのでは?という考えです。昼間は学校に通い、すきま時間に小遣い稼ぎをする。きっと、今ここでしかできない経験だと思うので、面白そうだな~と思いました。

リモートワークで継続する

駐在妻(駐在夫)のキャリア継続を阻む理由は、圧倒的に「物理的な距離」が大きいと思います。とは言え、このコロナ禍においてリモートワークを導入する企業が日本でも増えてきました。遠隔地からでも仕事を続けられるのであれば、最高じゃないですか? 

海外に引っ越す社員を継続して雇ってくれる会社は、まだ多くないかもしれませんが…。近い将来、このような場所を選ばない働き方」が広がっていくんじゃないかなぁと思います。

ただ、この場合はワークパーミットがどうなるのかが課題ですね~。

フリーランスとして働く

海外駐在しているということは、配偶者さんは転勤族で、今後も引っ越しを繰り返す可能性が高いのではないでしょうか。そうであれば、フリーランスとして働いたり、起業して自分の会社を持ったりして、「自分でビジネスをできる人」が強いのではないかな、と思いました。各種手続きをすべて自分でやらないといけないという点でハードルは高いですが、立ち上げてしまえば最強なんじゃないかと。

最近は企業勤めで副業する人も増えていて、クラウドワークスランサーズココナラなど、フリーランスが仕事を得るためのプラットフォームが充実しています。デザインやWEB制作、翻訳などの専門分野の知識・経験が必要な仕事もありますが、ライターや文字おこし、データ入力など、誰でもできる仕事もあるので、少しずつ初めてみるのもありかも?

こっそりアルバイト?

あとは、こっそりアルバイトするパターンですかね。目を付けられない程度の収入に抑えて、現金手渡しで働いている人、ぶっちゃけ結構いるみたいです。
(決して推奨しているわけではありません。自己責任にてお願いします。)

まとめ

いかがでしたか?

ご家庭や職場の事情によるところもあると思いますが、問題を明確にして「いろんな働き方がある」と知っていただければと思いました。「働きたいけど、働けない」とモヤモヤを抱えている方が、新たな一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

今回は「働く」ことにフォーカスを当てましたが、資格を取得したり、新しい趣味をはじめてみたり、近隣諸国や滞在国内で旅行をしまくったり、今まで以上に家事に本格的に取り組んでみたりと、帯同期間を充実させる方法はたくさんあります。私もまだまだベトナムでやりたいことがいっぱいなので、色んなことに挑戦していければと思います。

maruco

皆さんの駐妻生活・駐夫生活が、素敵な経験になりますように…!

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