前回の記事でお話した通り、仕事を辞めて、夫の海外駐在に帯同することを決めました。方針が決まれば、次は具体的なことを考えていきます。
今回は、退職日を決めるときに押えるべきポイントを整理しながら、退職日を決めるまでの流れを振り返ります。業種や職種、渡航先や家族構成など、個別の事情によって大きく変わってくる話だと思いますが、一つの参考として読んでいただけたらと思います。
渡航時期の目途を立てる
まずは、渡航時期の目途を立てます。
我が家は単身赴任から帯同に切り替えましたが、はじめから帯同を選ぶ方も多いと思います。その場合でも、同タイミングで赴任するのではなく、旦那さんが先に赴任し、現地での仕事・生活が落ち着いてから、家族が帯同するケースが多いようです。会社によっては “赴任後3カ月間は原則、家族帯同不可” と決まっていたり、そもそも国によっては赴任者の就労許可が下りてからでないと、帯同ビザの申請ができない場合もあります。
「先に退職日を決めちゃったけど、渡航できるのはまだ先だった…!」とならぬよう、まずは旦那さんの会社へ帯同時期について確認しましょう。健康診断や予防接種など、渡航前にすべきことも聞いておくと安心です。
私の場合、夫は既に赴任済で現地での生活も落ち着いていたので、受け入れ態勢は万全。私の準備さえ整えば、いつでも行ける状態でしたが、
私が渡航するときは、一時帰国して引越しを手伝ってほしいな~
今取り組んでいるプロジェクトが5月には落ち着くから、その後がいいな
ということで、渡航時期は、夫の仕事の繁忙期が過ぎた6月以降にしようと考えました。
会社の就業規則を確認する
次に、自分の会社の就業規則を確認します。
退職の申し出はいつまでに?
法的には、退職の2週間前までに会社に届け出ることとなっていますが、たいてい会社ごとに就業規則で規程されているので、あらかじめ確認しましょう。一般的には、退職の1~2か月前に申し出ることと定めている会社が多いようです。
私の働いていた会社では、退職の1か月前までに申し出る必要がありました。
ボーナスの支給条件は?
会社によって支給条件が異なるので、就業規則を確認しましょう。
私が働いていた会社では、退職日まで働いた分に相当するボーナスが支給される規程になっていました。12月のボーナスは、4~9月に働いた対価として支給されることになっていたため、たとえば6月末で退職した場合は50%相当のボーナスが支給されます。
一方、夫が以前勤めていた会社では、ボーナス支給日に在籍していることが条件でした。「あと10日長く働いていたらもらえたのに~」なんてもったいない。一日も早く渡航しなければならない状況でない限り、ボーナスをもらえる退社日を設定したいですね。
自分はどうしたいのか?を考える
転職であれば、次の会社の入社日が決まっている場合が多いので、退職日の検討の余地はあまりないかもしれませんが、配偶者の転勤に帯同する場合は「いつまでに行かなければならない」という決まりはありません。退職日は会社と相談して決めるべきだとは思いますが、上司に相談する前に、まず「自分はどうしたいか」を考えましょう。
というのも、会社としては、これまでお金をかけて育ててきた社員ですから、辞めずに働き続けてくれることが一番なはず。「考え直せないか」「もう少し待てないか」などと交渉してくるかもしれません。退職の意思を尊重してくれたとしても、会社が考えるのは会社の事情。「引越し準備に1か月はかかるかなぁ」「ボーナスをもらって辞めるにはいつが良いだろう?」といった個人の事情は、きちんと伝えなければ考慮してもらえません。退職するというだけで、会社には迷惑をかけることになるので、あとから「やっぱりボーナスがほしいので、もう1か月ずらしてもらえませんか?」とは相談しにくいですよね。なので、まずは自分の気持ちを整理してから、上司に相談することをオススメします。
私の場合は…
年度内は今の仕事をしっかりやり切りたいな。4月に後任が来ると想定して、引き継ぎには1か月くらいあるといいかな。ゴールデンウィークもあるし少し余裕もって5月末退職希望と伝えようかな。なるべく早めに引き継ぎを終わらせて、有休消化しちゃおーっと!
とまぁこんな感じで考えていました。具体的に考えておきたいポイントを2つ挙げます。
今の仕事に悔いはないか?
海外赴任に帯同したら、専業主婦になるケースがほとんどだと思います。キャリアを中断するのは、大きな決断だと思いますので、今の仕事に悔いはないか?を考え、自分が納得できる時期を選びましょう。
たとえば…
「今取り組んでいるプロジェクトは最後までやり遂げたい」
「節目となる入社10年目までは働きたい」
「繁忙期を終えるまでは頑張りたい」 など。
納得のいくまで働くことができれば、帰国後の再就職への自信にも繋がると思いますし、帯同してから「私は仕事を諦めてきたのに…」とモヤモヤしたり、旦那さんに当たってしまうことも減らせるのではないでしょうか?駐妻生活をめいいっぱい楽しむためにも、自分の気持ちを大切にしたいですね。
有給休暇を消化するか?
有給休暇の取得は労働者に与えられた権利で、会社は申請を拒否することはできません。ただ、どうせ辞めると分かっていても、できれば円満に退職したいですよね。そのためには、周りへの配慮は必要不可欠。早めに有休消化の意思を伝え、しっかり引継ぎを終わらせることが大切です。
ちなみに、私も退職を決める前までは
いつか会社を辞めるときには、しっかり有休消化して辞めてやる~!
なんて考えていましたが、結局はコロナ影響が重なってしまい、
有休取っても、どうせお出かけできないなぁ。(在宅勤務なので)働いてても有休とっても一人で家にいるだけだし、家でゴロゴロなんて駐妻になってからいくらでもできるから、ぼちぼち働いておこうかなぁ~。
ということで、まとまった有休消化はしないことに。引継ぎは順調に進んでいたので、最後の一カ月は、週2日程度は有休を取得、残り3日は残務処理や引継ぎを行いました。(例外的なパターンなので、あまり参考にならないかも…)
上司に退職の意向を伝える
自分の意思を固めたら、ついに上司に退職の意向を伝えます。後任を新たに採用したり、別の部署から異動させる必要も出てくると思いますので、上司と相談して退職日を決めましょう。有休消化の意向があれば、その旨もここで伝えておきます。
でも退職の意向を伝えるのって緊張するなぁ…。まずは誰に伝えるべきなんだろう?
「とりあえず年の近い先輩に言おうかな?」とも考えましたが、結局は直属の上司に伝えました。私にとって初めての退職。とにかく分からないことだらけだったので、事前にネットで調べてみたところ、周囲から上司に話が伝わってしまうとトラブルのもとにもなりかないので、まずは直属の上司に話すべきとのことで、素直に従いました。仲の良い同僚や、話しやすい先輩に相談したい気持ちも分かりますが、周囲に伝えるタイミングは組織の承認が下りてから。上司と相談した上で伝えましょう。
退職届を提出する
退職日が決定したら、会社の規則に則り、退職届を提出します。私の働いていた会社では、人事部から指定フォーマットをもらい、必要事項を記入して提出するというものでした。特に指定のフォーマットがなければ、インターネット上にテンプレートがあるので、調べてみてくださいね。
【まとめ】退職日を決めるときに押さえておきたいポイント
最後にポイントをおさらいします。
- 帯同タイミングに関するルールはないか?
- いつまでに会社に伝えればいいか?
- ボーナスはもらうための条件は?
- 今の仕事に悔いはないか?
- 有給休暇を消化するか?
- 最後は上司と相談して決めよう!
気持ちよく送り出してもらうためには、立つ鳥跡を濁さず!上司と相談して退職日を決め、責任をもって引き継ぎを行いましょう。仕事の引継ぎのほかにも、住んでいる家の解約、引越し、ビザの取得、健康診断の受診や予防接種など、やることがたくさんあります。働きながら準備するのは正直かなり大変なので、余裕をもったスケジュールを組むことをおすすめします。
退職することは決めたけど、退職時期・渡航時期はいつがいいかな?